模試帰りの娘と、その友だちを車に乗せた。
後部座席から聞こえてくる二人の会話を聞きながら、ふと思った。
この子と出会ったのは、高校に入学する前だったな、と。
娘はもともと、少し人見知りするところがある。
高校に入る前も、「友だちできるかな」と本人なりに気にしていたし、僕も少しだけ心配していた。
たしか、入学前の登校日の帰りだったと思う。
同じ制服を着た女の子がいて、帰る方向も一緒だったらしい。
どちらから声をかけたのかまでは、もう覚えていない。
ただ、その日のことを娘が家に帰ってきて話してくれたのは覚えている。
その話を聞きながら、僕は思った。
「高校生活で、良い友だちに出会えますように。」
それから2年半。残りは、あと半年ほどだ。
高校生活の様子は、娘が話してくれることから想像するしかない。
学校でどんな話をして、どんなことで笑って、時にはどんなことで悩んだのか。
いろんなことがあったと思う。
でも、後部座席の二人を見ていると、いい高校生活を送れているんだなぁ、と嬉しくなった。
娘の人生を少し離れたところから眺めながら、
「ああ、この子の人生に、この子がいてくれてよかったな」
そんな、しみじみした気持ちになった。
高校生活も、もう終わりが見えてきた。
二人はこれから、それぞれ違う場所へ進んでいくのかもしれない。
それでも、あの日、同じ制服を見つけて声をかけたこと。
そこから始まった時間は、きっと娘の中に残っていくんだと思う。
今度また会うことがあったら、ちょっとだけ伝えてみようかな。
「娘と出会ってくれて、ありがとう」って。

