会話に困ったら、そこにあるものを。(愛娘との会話より)

中1娘との会話で困ってしまった。と言っても、キモいとか言われたり無視されたりしているわけではない。どちらかというと、我が娘は父が好きなようだ(たぶん)。普通に散歩とか行くし。

困ったのは、その散歩中、会話がコロナ関連ばかりになっていたことに、ハタと気づいたからだ。先週末からクラスで陽性者が出たとかで、保健所から連絡あるまで学級閉鎖になった。そんな中、夜に近所の神社までそうっと一緒に散歩する。

娘とは以前からずっと散歩仲間だ。具体的な遊びよりも、「散歩行こー」とどちらともなく誘いあって30分くらい歩く。そして、学校のことや将来のことやら、はたまた母と喧嘩したことなど、話題は幅広い。

しかし、オミクロン吹き荒れる最近の散歩では、最初は楽しい話をしていても、途中からコロナ的な話になってしまうのだ。めっちゃイヤやんそれ。どこそこが学校閉鎖だ、誰だれはもう3日会ってない、部活も停止だ、などなど。学校が機能してないから、仕方ないんだけど。

せっかくの散歩なのに、そっちの会話に自然と流れてしまう。娘は気づかないけど、父は気づいたのだ。

どうしよう、何か他のネタを、と思っていたら、娘が「めっちゃ星きれいじゃない?」と白い息を吐きながらつぶやく。見上げると、雲のない空にオリオン座や北斗七星が光っている。

…。そうだ。

「お父が今までで一番星が見えたところはな、アリゾナの空港から、グランドキャニオンにレンタカーで向かう道でな。砂漠のど真ん中を走ってたら夜になって、街灯もなくて真っ暗闇やってん。それで、車を路肩に停めてライトを消して、空を見上げたら…。ほんまに数えられへんくらいの星空やった。星が密やったで」

「そうなん?将来オーロラを見に行ってみたいわー」

「オーロラなら、アラスカかフィンランドくらいかなー。めっちゃ寒いときしか見えへんらしいで。」

「気合いで見に行くわ!白夜も体験してみたいねんなー」

ーーーーー。

こうやって、なんでもないような話をしながら、本日のお散歩終了。

会話に困ったら、そこにあるものを。そのへんにある、ちょっとだけ楽しそうなものを。家族に特別なものなんて要らんなあ、そう感じさせてくれた真冬の澄んだ空だった。

(いつまでこのような至福な時が続くのか、どこかでプイッとそっぽをむかれる時が来るのか、気が気でない)

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