琉球の神が降り立った神の島、沖縄・久高島訪問記 – 時間が止まったような島で至福な時間を

こんにちは。すぐっち(@sugucchi)です。

今回は、2019年6月に訪れた沖縄の久高島についてお話しします。

いろんな友人から、久高島を勧められていたんですが、ようやく願いが叶いました。

観光ではあまり行かない場所ですが、この島は昔から神の島と呼ばれているんです。

早速紹介しましょう!

目次

久高島はどこにある?

久高島は、沖縄本島の南東にある、とても小さな島です。人口は約200人くらいの小さな集落です。

ガイドブックでは、あまりページを割かれることがない島ですね。

行き方はフェリーのみとなっています。

久高島は琉球神話の発祥の地

実は、久高島は琉球神話の発祥の地であり、古来から信仰の対象として崇められていたそうです。

久高島の伝承

  • 琉球の創世神、アマミキヨが降り立った島(琉球はここから始まった)
  • 異界ニライカナイと繋がっているとされる
  • 島の中央にあるクボー御嶽は、男子禁制の聖地
  • 12年に一度の秘祭、イザイホーが行われていた(今は中断している)

と、色々な言い伝えが今に残っています。

久高島の土地は共有のもの(地割り制度)

また、民俗学的に注目されている文化として、久高島の土地は島民の共有地(個人で所有することができない)なんだそうです。

家族の人数によって、畑の土地が割り当てられて、家族が減ったらその分を返すというルール。

日本ではほとんど残っていない風習ですが、久高島ではこのやり方で土地を管理しているそうです。

詳しくは後ほど。

さあ、写真で振り返っていきます。

フェリー・高速船で久高島へ

朝からレンタカーを走らせて、安座真港(久高島へのフェリー・高速船乗り場)までドライブです。

今回借りたレンタカーは、いつも利用しているたびらいレンタカー。
ネット予約できるから、いつも利用しています。いろんなレンタカー会社の値段比較ができてめっちゃ使いやすい!

那覇方面から、約1時間で到着しました。駐車場は無料で利用することが可能。

フェリーの時刻表などは、こちらのHPで確認できます。

フェリーが停泊しています。これだけしかアクセスがないんだなあ・・・。台風などがきたら、しばらく物資も届かなくなっちゃいますよね。

こちらがチケット売り場。窓口に張り出されている時刻表を見ると、1〜2時間に一本の間隔で出航しているみたい。

帰りの便も含めて、ここでチェックしておかないと。

高速船・フェリー料金
高速船 (所要時間 約15分)
大人 片道 770円 往復 1480円
小人 片道 390円 往復 750円

フェリー (所要時間 約25分)
大人 片道 680円 往復 1300円
小人 片道 340円 往復 650円

ぼくは10時の便で渡り、15時の便で帰ることにしました。島でゆっくりしたいので、現地で4時間くらいはあるでしょう。

さあ、乗船!他の乗客も20人くらいはいたかな。

意外とアジアからの旅行者がほとんどで、海外のガイドブックに掲載されているのかもしれない。

エメラルドグリーンの海!これだけでテンションが上がるよね!!

この日の気温は28度くらい。湿度も高くて、ザ・南国という天気だった。

ウキウキである。

久高島到着!自転車借りて散策スタート

25分ほどで久高島に到着。とりあえず案内所を目指して、地図を手に入れた。

「島を回るにはどうすれば良いですか?」との問いに、

「貸自転車で回ったら良いですよ〜」とのこと。

公民館(離島総合センター)の向かいにある自転車レンタル、玉城さんへ。

めっちゃレトロで良い感じだな〜。

奥で涼んでいるお母さんに声をかけて、自転車を借りる。

4時間で1,000円でした。

「鍵かけなくても大丈夫さぁ〜」と笑顔で言われ、なんだかすごく和む。

さあ、行こう。

自転車レンタル屋さんの近くにあった島の小中学校。とても綺麗だ。

ぼくは、こういった最果ての地の学校を見るのが好きだ。どうやって生活しているのか、思いを馳せると楽しくなるもんね。

ここからは、島の北側から最東端の岬を目指していく。

少し経つと、熱帯の景色!

野生林の真ん中に無理やり道を通したような、草いきれがムッと漂ってくる道だ。

生命力に溢れている景色だなあ。

時々、こんな風に自転車を置いて散策する。

一応、自転車の鍵は抜いておくことにした(笑)

ここはヤグルガーという井戸。

神女が身を清める時にも使うという神聖なものだそうです。

ここを降りていくんだね。

海の近くの、真水の井戸。

見よ!椰子の木とエメラルドグリーン、そして雲・・・!

最高の景色だ・・・。

ちなみに、この道路は「ロマンスロード」というらしい。また最東端まで進もう。

何度でも遭遇する、海と空。

もう少し。この道を進めば・・・。

なんだか、日本とは違う場所に迷い込んだみたいになっているね。

久高島最東端、ハビャーン(カベール岬)は神が降臨した地

さあ、やってきました。ハビャーン。

ここは、琉球開闢の神様であるアマミキヨが、初めて降り立ったとされる場所。

この向こうには、異世界(神の世界)であるニライカナイがあるんだそうです。

降りてみると、さざ波の音だけが耳に残ります。

この向こうに、ニライカナイがあるのだろうか。

サンゴ礁が波で削られて、独特な形になっている。

ちょっと座って、サクサクな砂と遊びながら、何も考えない時間を過ごす。

手塚治虫の火の鳥に出てきた世界のような、岩がゴロゴロと。

岩の裏側には、小さな生命が張り付いている。ヤドカリだ。

ヒトデもいた。自然のものしかない空間。

さあ、次は南側を通って一周しよう。

途中に、ウパーマ浜という海岸があるので、そこを目指す。

木が鬱蒼と生い茂った道を通り抜けると・・・、

ウパーマ浜に到着!

久高島で一番広い海岸なんだとか。

干潮なのか、結構遠くまで岩をつたっていくことができました。

お次はイシキ浜。

ここは、五穀伝説という言い伝えに出てくる浜。

この浜に、五穀が入った壺が流れてきたのがきっかけで、沖縄本島にも広がっていったのだとか。

また、この島の人たちは、浜の石をお守りとして持ち帰って年末に返しにくるという風習もあるそうだ。

いろんな逸話が残されている久高島である。

久高島にしか残っていない?地割り制度

久高島に来て見ておきたかったもの、それはこれだ!

いや、分からないですよね。よーく見て欲しい。

畑の中に、点々と岩が置いているのがわかるだろうか?

この石が、今回見たかったもの。

これが、久高島で今も行われている地割り制度なのだ。

久高島では、土地の個人所有が認められていない(家だけはOKとも聞いたが、詳細は不明)。畑を耕したりする土地は、話し合いによって広さを決めていくんだそうだ。

基本的に、家族の人数によって大きさが異なり、家族が減ったりすると、石を動かして新たに区分けをする。

こうやって、畑が短冊状に分かれている。

なんと、琉球王国時代からの名残なんだそうだ。

この石を見るだけで、何百年も昔に思いを馳せることができる。

土地を独り占めしたりせず、仲間同士で話し合って決める。こんなことがずっと続けられる社会って、素敵だと思う。

島でお昼ご飯を食べよう

中心地に帰ってきました。ちょうどお腹も空いたので、食べ物屋さんを探します。

が・・・、なんと3軒しかないんですね。

一番建物が古く、歴史がありそうな「とくじん」さんへ行ってみることに。

「食事処とくじん」さん。

今回は頼みませんでしたが、ウミヘビの燻製でつくる「イラブー汁」が人気だそうです。

久高御膳を注文しました。いわゆる日替わり定食ですね。1,200円です。

てんぷらやお刺身などいろいろな島の食材が楽しめる感じです。

なんのお魚だったか忘れたけど、近くで取れたもの。

揚げてあってサクサクで美味しかった。

そして、沖縄でよく食べられている二ガナの和え物。

二ガナは、沖縄で自生している野草(うちなー野菜)。滋養強壮の薬草として、古くから食べられているらしい。

ちょっと苦味があるけれど、新鮮な魚と和えてあるからバランスよくて美味しい!

ちなみに、同じ時間に地元のおじいさんが食事をされていて、声をかけたら色々と教えてくれた。

おじいさんは、90歳をゆうに越えていたんだけど、とっても元気に定食を平らげていた。太平洋戦争で生き残って島に帰ってきて、なんとこの島のフェリー運航を実現させた人!

とっても優しい目をされていた。ずっと長生きしてほしいと思う。

街の中

フェリーの時間までもう少しあるので、近くを散策することに。

この、琉球石灰岩の石垣がいいなあ。

久高島の郵便局。小さくて可愛い。

少し広い芝生広場にでた。少し綺麗な建物があるけど、なんだろう。

ああ、ここが12年に一度しかない、イザイホーという秘祭の祭場のようだ。

今は、そのお祭りを仕切れる人がいなくなったので、できなくなったということだが、昔は日本中からこの祭りを見に学者さんたちが集まったらしい。

また、芸術家の岡本太郎(芸術は爆発だ!の人)も、イザイホーを見に訪れた。

難しいのかもしれないけど、復活してほしいと思う。

こちらは、うぷらとぅという旧家です。

言い伝えでは、その昔たいそう綺麗な神女がいて、琉球国王が久高島を訪問した際に見初めて、政務を忘れてずっと同棲したというロマンスがあったそうです。

国王が帰らなかったので、クーデターが起こってしまったとも。

こちらは、ヒンプン(ひんぷん)と呼ばれる、魔物除けの壁。
魔物が直接家の中に入ってこないようにするための壁で、中国の屏風が由来となっている。

一般的に男性や客人は右側を通って入り、女性は左側を通って入るそうです。

今の沖縄では、コンクリート家屋がほとんどだけど、伝統的な琉球家屋は木造だった。

昔の琉球がしのばれる場所だ。

このあたりで、散策は終了。そろそろ戻る時間だ。

さあ、沖縄本島へ戻ろう

久高島のフェリー乗り場だ。

切符売り場に行くと、なんとさっきの定食屋さんで一緒だったおじいさんが切符を売っていた・・・!

おじいちゃん、元気でね。きっとまた来るから!!

あとがき

以上、約4時間の滞在だった久高島。もうちょっと居たかった気もするけど、一人旅ならこのくらいがちょうど良いのかもしれない。

そして、この島には一人で来るべきだった、という気がしている。

久高島の自然を感じて、自分だけの感覚のままに過ごすことが、ここを満喫するポイントなんじゃないかな、と。

もちろん、次は家族を連れて来たいと思っているけど、最初の訪問を一人で来れたのもご縁だったんだろう。

そんなことを考えながら、少し早い沖縄の夏を感じながら、久高島を後にしたのであった・・・。

ここから、「斎場御嶽」にも足を伸ばす予定なのである。

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