『妻に捧げた1778話 (眉村卓著)』を読んで感じたこと – 生きてるうちから、好きな人に好きと言おう

今年の『アメトーーク!読書芸人』で間違いなく泣ける本、と紹介されていた、『妻に捧げた1778話』を読んでみた。

ちなみに、今まであまり人気がない本だったのか、書店には置いていなかったので、kindleで購入。

うん、最後の最後に書いているところで、間違いなく泣けます。
自分に置き換えてみようとしたけど、ワイフが先に死ぬとか想像できないし(ぼくら夫婦の中では、ぼくがちょっとだけ先に死ぬことになっている)。

番組でも、最後に奥さまに書いた物語が泣ける!と紹介されていました。

そこも号泣ポイントなのですが、ぼくが一番身につまされたところをまとめておきます。

目次

『妻に捧げた1778話 (眉村卓著)』を読んで感じたこと – 生きてるうちから、好きな人に好きと言おう

闘病する奥さまに1日1話書く

著者の奥さまが不治の病であることが判明し、闘病が始まったとき、SF作家である彼は奥さまのために物語を書くことを思いつきます。

妻が退院してから、私は考えた。何か自分にできることはないだろうか。思いついたのは、毎日、短い話を書いて妻に読んでもらうことである。(妻に捧げた1778話 眉村卓著より)

最初は純粋な物語を、時々SFテイストで書きはじめています。

奥さまへの気持ちを物語に書けないジレンマ

お話を作り始めたときは、奥さんを心配する気持ちや、愛情表現など、なるべく自分の気持ちを込めないお話を書いていました。

でも、奥さまの具合が悪くなるにつれ、抑圧している奥さまへの感情を出せないことに、すごく居心地が悪くなってくるのです。

物語で書いてしまうと、奥さまに見透かされてしまうので、その場しのぎに俳句を作り始めるんです。

その俳句たちが、彼の心情をストレートに表現しているんです。彼の愛と心配に心が揺さぶられます。

もっと直接言えばいいのに…。生きている今がチャンスじゃないか…。

でも、そうはならなかったんですね。奥さまのことを思えばこそ、素直な感情を出せなかったのです。

その感情を出せたのは、奥さまが亡くなった後でした。

愛情表現は生きてるうちに

ぼくには、自分の近しい人が闘病することはまだ未経験です。もしかしたら、同じシチュエーションになるとそうなるのかもしれない。

まあ、毎日愛情表現をワイフにするのもこっぱずかしいですしね…。

それでも、何も特別なことがなくたって、好きって言おう。それも、たくさん積み重ねよう。

そう思わせてくれた本でした。

アメトーーク!で紹介された他のおすすめ本はこちら

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