『アメトーーク!』で、先日放送された「本屋で読書芸人」。今回も芸人さんの魅力的なプレゼンで、読みたい本が目白押しでしたね。
次の日に本屋さんに行くと、もう「アメトーーク!読書芸人で紹介された本のコーナー」ができている!小説大好きなワイフと一緒に色々と物色し、購入したのが「罪の声」です。
約400ページあるのに、一日で読み切ってしまいました。
目次
「罪の声」塩田武士著 – 『アメトーーク!』で紹介された長編ミステリーを1日で読んでしまった
「グリコ・森永事件」を題材にしたミステリー小説
この本は実際に起こった未解決犯罪、「グリコ・森永事件」を題材にしています。企業・人物名は架空だけど、時系列や起こった出来事は忠実に再現しています。
実は、この本は何度か書店で目にしたことがあったんです。でも、おどろおどろしい装丁と、「罪の声」という重そうなタイトルがぼくを遠ざけました。今回、アメトーーク!を見なかったら出会ってない本ですね。
最初の10ページで目が離せなくなってしまった
この本がすごいと思ったのは、最初の10ページを読んだだけでハマらせてくれたこと。
プロローグはこうです。
京都でテーラーを営む曽根俊也は、ある日父の遺品の中からカセットテープと黒革のノートを見つける。ノートには英文に混じって製菓メーカーの「ギンガ」と「萬堂」の文字。テープを再生すると、自分の幼い頃の声が聞こえてくる。それは31年前に発生して未解決のままの「ギン萬事件」で恐喝に使われた録音テープの音声と全く同じものだった。(『罪の声』帯より)
「ギン萬事件」とは、「グリコ・森永事件」のこと。未解決の大事件に、幼い頃の自分が関わっていたことが突然分かったら・・・。
ここからは、もうジェットコースターに乗った気分でした。
グリコ・森永事件が関西で起こったことを知らなかった
この本を読んで驚いたこと。それは、グリコ・森永事件が関西で起こっていたという事実。
事件は1984年に起こっているので、ぼくは当時6才。なんとなく事件は覚えているけど、てっきり東京のほうだと思っていた。
物語も関西を中心に展開されるので、より感情移入しちゃいました。
単なるミステリーに終わらない結末
普通のミステリーなら、犯人が見つかって事件の全貌が明らかになったところで物語が終了ですよね。でも、この作品は、そこがクライマックスではなかったところが秀逸でした。
事件に関わった人たちとその家族。重荷を背負ってきた人たちが、その後どうなったのか。救いがあったのか。そこが描かれていて、読み終わると少し、心が軽くなった思いでした。
登場人物たちは、ずっと過去にスポットライトを当てて真相を探るんですが、最後の章だけは未来を変えようと行動するんです。
ネタバレになるので書きませんが、ここがグッときたポイントでした。
さいごに
いやあ、久しぶりにこんなに本に没頭できました。ストーリー構成が抜群によかったです。グリコ・森永事件を知らない世代の人たちも、純粋なミステリーとして読めるでしょう。
ビジネス書もいいけど、やっぱりぼくには小説が合ってる!純粋に文章を楽しめるもんね。