昔から、歴史が好きなすぐっち(@sugucchi)です。
今回は、半藤一利さんの『昭和史 1926-1945』をご紹介。
半藤さんは、出口治明さんとの対談本で初めて読みました。
文庫本で548ページと、なかなか骨太な本ですが、読む価値ありますよ!
令和を迎える節目に、この本を読んでおいてよかったです。
目次
『昭和史 1926-1945』とは | 講義形式で語られる文章が分かりやすい
この本は、太平洋戦争の終結をゴールとして話が終わります(ちなみに、続編を今読んでいる最中)。
Amazonの書籍紹介は下記の通りです。
授業形式の語り下ろしで「わかりやすい通史」として絶賛を博した「昭和史」シリーズ戦前・戦中篇。日本人はなぜ戦争を繰り返したのか―。すべての大事件の前には必ず小事件が起こるもの。国民的熱狂の危険、抽象的観念論への傾倒など、本書に記された5つの教訓は、現在もなお生きている。by 「BOOK」データベースより
どうやら、出版社の方々からの依頼で昭和について語っていたら、その内容を書き起こしてもらって書籍になったみたい。
話し言葉なので、ややこしい歴史の話も易しく頭に入ってきます。
分厚い文庫ですが、読みやすかった。
『日本が間違っていた』という歴史観で語られているが、本当かはわからない
全体を通して、気になったことがあります。
それは、日本が全て間違っていたかのような視点で全てを説明しようとしているんじゃないか、と感じたんですね。
日本が、欧米列強に植民地にされたアジア諸国のために立ち上がり、アジアをアジア人のものに奪還しようとした、という歴史観もまたあります。
どちらが正しいのかはさておき、歴史を学ぶうえではなんらかのバイアスがかかる可能性があることを心の中で持っておく必要がありますね。
学校でほとんど学ばない近代史
ずっと疑問に思っていたことなんですが、日本人にとって都合の悪い歴史だから、あまり深く学ばせないようにしているんじゃないでしょうか?
学校で明治時代以降の歴史を学ぶ時間はほとんどありませんでした。
近代史になると3学期に学ぶので、どうしても時間が足りず、最後はバーっと表面的なところを習うだけ。
だから、自分や親世代がどんな時代に生きていたのか、あまり実感が湧きませんでした。
なぜ戦争をしなければならなかったのか、なぜ敗戦したのか、この本を読むととても明確に理解できました。
今の日本のあり方を決定づけた『昭和』を理解できる
昭和の時代、特に太平洋戦争が終わった後の日本のあり方が、今の時代にも深く影響を及ぼしています。
東アジアの防波堤として、アメリカの国際政策上の重要拠点として発展してきた日本。
そうなる前の、歴史的背景や、時代の流れが詳しくわかるように書かれています。
満州事変、2.26事件、ノモンハン事件、等々単語として聞いたことがある程度だったこれらの出来事も、のちにどういう影響を及ぼしたのか全てがつながってくるんですね。
このような過去の流れから、昭和いや、平静をつないで見てみると、日本のあり方が明確に見えてくるような気がします。
太平洋戦争の失敗は、今の「組織」にも当てはまる
作者は、昭和20年までの日本を語りつつ、今の私たちへの教訓を5つ挙げています。
- 国民的熱狂を作ってはいけない
- 抽象的な議論を好み、理性的に考えようとしない
- タコツボ社会を作ってしまう小集団主義
- 国際的な常識を理解しようとしない
- 対症療法的な解決策で処理する
特に2番については会社組織何かについても強く当てはまる考え方です。
「日本人は、起きると困ることが起きないと信じてしまう傾向がある」と作者は伝えています。太平洋戦争についても、現実を認めず、自分たちにとって都合の良い先入観で物事を決め、敗戦に敗戦を重ねてしまうんですね。
歴史を通じて、今の自分に活かす。これが最も有効な歴史の学びかたですね。
まとめ
なんとなく、堅い話になってしまいました。
この本を読めば、昭和がどういう時代だったのか、その基礎知識が手に入ります。
昭和を土台に、平成が発展した事は間違いありません。
昭和を知ることで、次の令和をどんな時代にしたいのか、考えるきっかけになる本でした。