昭和53年生まれのすぐっち(@sugucchi)です。
4月に入ってから、昭和の歴史を学んでいます。
前回の『昭和史 1926-1945』は約600ページあったけど、今回も同じくらいの分量。
『昭和史 戦後編』は、ぼくの両親が生まれた頃の時代からスタートして、ぼく自身が生まれた昭和後期までが描かれています。
どんな時代だったのか、がっつり読んでみました。
目次
歴史の流れを掴んで、昭和を理解する
昭和の時代なんて、歴史の授業でほとんど習わない。特に現代に近くなればなるほど、だ。
だから、なぜ学生闘争が起こって東大が学生に占拠されたのか、とかまったく知らない。
出来事としては、テレビなんかで過去のニュースを見るから分かる。
でも、歴史は流れを掴まないと理解ができない。
なぜそれが起こったのかを知るためには、その前からの経緯を掘り下げる必要があり、そのきっかけの出来事があり、またそれを掘り下げていく…という繰り返しを通じて、やっと全貌が見えてくる。
なかなか骨の折れる作業だけど、全体がイメージできてくると快感だ。
その点、『昭和史』を読めば、しっかり時代の流れを俯瞰することができる。語り口調で書かれているから、親近感を持って読めるしね。
両親がどんな時代を生きてきたのか想いを馳せる
なぜ『昭和史』シリーズに魅かれたのか。それは、ぼくの両親がどんな時代を生きてきたのか知りたかったから。
ぼくの父親は1947年、母親は1949年生まれ。戦後すぐに生まれ育って、親父は中卒、母は高卒で就職して、そこで出会って結婚。
一つの会社に45年くらい勤務して、母は専業主婦(パートはしてた)としてぼくらを育ててくれた。
頑張って、歯を食いしばって、という言葉を親父から何度か聞いたことを思い出す。
うちの家だけ、精神論的な家風だったのかな?と子どもながらに感じてたんだけど、この本を読むと、国民がだいたい同じ方向を向いて、しっかり働いてお金を稼いで良い暮らしをすることを目標にしていたのがわかる。
『勉強して、大学までは行っておけよ』と口酸っぱく言われた。時代が、そういう風潮だったんだよね。
昭和史の6つのステージ
半藤さんは、昭和をイメージしやすいように6つのステージに分けて紹介している。
とても分かりやすかったので、書いておこう。
① 占領の時代(1945-1951)
戦後、GHQが乗り込んで日本を外から変えていった時代。憲法、法律、ビジネスなどがどんどん変えられた。
国民の生活はとても苦しくて、食糧不足が続いたんだけど、朝鮮戦争の特需もあって、急速に復興を遂げていった。
② 政治闘争の時代(1952-1960)
占領された時代から、日本が独立国家として主権を回復しようとした時代。
サンフランシスコ講和条約や、60年の新安保条約の強行採決までの期間だ。
どんな国家を創るのかが考えられ、その結果『平和主義』が形作られた。
③ 経済第一の時代(1961-1965)
アメリカの傘の下、経済復興を第一に国家を運営した時代。
『国民取得倍増計画』の号令のもと、どんどん暮らしが豊かになっていく。
東京オリンピックの開催によって、そのポジティブなムードは高まった。
④ 自信回復の時代(1966-1972)
東海道新幹線開通、大阪万博開催、沖縄本土復帰などの華やかなニュースが続く。
経済成長率は9.6%と、生活が豊かになっていくことが国民にも分かるくらいの大幅成長だった。
田中角栄さんの『日本列島改造論』もこの頃で、公共事業が激増して地方も潤ってきた。
日本が自信を回復した時代と言える。
⑤ 価値観の見直しの時代(1973-1982)
ベトナム戦争終結や、石油ショックなど、生活や価値観を少し揺さぶる出来事が続いた時期。
経済成長に少し陰りが見え、ずっと右肩上がりは続かないと国民が認識。
馬車馬のように働く価値観が少しずつ見直されはじめる。
重工業からソフト産業(コンピュータ)へのシフトもこの頃。
流行った言葉は『省エネ』。
⑥ 国際化の時代(1983-1989)
自動車や家電などを武器に、輸出国家への転換を果たした時代。
貿易のバランスが崩れて国際社会からの反発を受けたりした。
自分たちの事ばかり考えられなくなり、他国との協調を意識しだした時代。
まとめ
この本を読んで感じたことは、戦争に負けてGHQの指導によって作られた憲法や法律って、70年以上経った現代に合ってるんだろうか、ということ。
もうそろそろ、どんな国にしたいのか、もう一度国民が考える時期なのでは、と思う。
と同時に、そんなに簡単に変えられないという気持ちにもなる。
なぜなら、日本は外圧によって変化してきた国だから。
明治維新はペリー来航がきっかけだったし、太平洋戦争後は主にアメリカからの指導が入った。
内から変えるのは、なかなか難しそうだ。これは国だけじゃなくて、会社組織もおんなじ。
ぶれずに必要なことを変えられる勇気、これが大事。
令和を良い時代にしたいね。