立命館アジア太平洋大学(APU)学長の、出口治明さんの講演会に行ってきました。
今回出版されたのは、『知略を養う戦争と外交の世界史』という本。いやあ、歴史関係の本、どんどん出してるなぁ…。
大分で講演を聞いたことがあったけど、今回は紀伊国屋書店主催の出版記念講演会。
いやあ、やっぱり今回も面白かった!
目次
出口治明さんの出版記念講演会(大阪)に参加してきました!やっぱり歴史は楽しい!!
難しいことを簡単に説明する天才
出口治明さんの講演を聞いていて感心することは、その知識の深さもさることながら、歴史という複雑に絡み合った事柄を、誰でも分かるような言葉で説明されるところ。
第一次世界大戦、第二次世界大戦の流れを話していただいたが、おそらく小学生でもその成り立ちが理解できるだろう。
その知識がなくても、頭の中に具体的なイメージが出来上がってくる。これは、本当にその物事が分かってないとできないことですね。
質疑応答の時間が楽しい!
出口治明さんの講演会では、質疑応答の時間がかなり長く取られる。
1時間30分の持ち時間なら、1時間は質疑応答だ。
「何でも聞いてください。本の内容じゃなくても良いですよ。」
こう言って、質問させることに対して間髪入れずに答えていく。とっても明快だ。さすが、組織のトップとして活躍されるのも分かる。
せっかくなので、いくつかの質疑応答を残しておきたい。
これからの子どもの育てかた
(質問:これからの子どもは、どのように育てれば良いか?)平成元年には、世界のトップ企業20社に、日本は14社入っていた。平成30年になった今、日本の企業は1社も入っていない。トヨタ自動車でさえ、35位に入っているのが最高。
今世界を牛耳っているのは、GAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)と言われる企業や、ユニコーン企業(評価額10億ドルで、非上場企業)である。
アメリカには約100社、中国には約70社、EUには約30社存在するといわれるが、日本にはほとんどない。
日本は世界をリードする事業を見出せなかったと言える。ここに、子どもをどうやって育てるかのヒントがある。
日本の強みは、ずっと製造業。製造業で必要な人材は、言うことを素直によく聞く、従順な従業員。協調性があって、皆同じであることが良いとされた。
そのため、個性的な人材を作ることがなかった。今世界をリードしているのは、シリコンバレーにいるある種オタクなほど個性がある人材だ。
また同調圧力が強い日本では、個性が潰されてしまう。
これからの日本は、人と違っても良いという教育を行なう必要がある。
大阪万博について
(質問:大阪万博についてどう感じるか?日本の経済成長を担うか?)
万博は世界規模のお祭り。お祭りは、基本的に一過性のものであるから、ただ開催するのでは何も起こらない。
パリのバンコク博覧会で、ナポレオン3世がワインの格付けを始めた。それがきっかけで、世界中のセレブがフランスワインに高いお金を出すようになった。以降、フランスワインの格付けは世界的権威となっている。
このように、一過性で終わらない仕組みを作れば良い。その後もその国は発展していく。
まとめ
今回も、あっという間の1時間半だった。どんどん自分の頭が賢くなっていくような感覚だった。
家に帰ってから、ワイフや両親に講演会の内容をそっくりそのまま話してみた。やっぱり分かりやすく、なるほど〜ってなるんだよね。
うん、自分もこんな風に伝えられるようになりたい。
そう思った講演会でした!