京都国立博物館で開催されている、「禅 -心をかたちに-」という展覧会を見に行ってきました。
禅宗の肖像画や仏像、書画、工芸など、国宝約20点、重要文化財約100点など数多くの展示がされていました。
▲2016年4月12日〜5月22日まで開催中です。
電車の中吊り広告で興味を持って行ってみましたが、面白くて約3時間半ほど滞在しました!
目次
禅ー心をかたちにー – 見て感じる禅問答 京都国立博物館で静かに感動!
禅宗とは何か、そしてその変遷がわかる
▲展示は5章立てで、ぼくのように禅について知識がない人でも楽しめる構成になっていました。
- 禅宗の成立
- 臨済宗の導入と展開
- 戦国時代と近世の高僧
- 禅の仏たち
- 禅文化の広がり
インドで興った禅宗が中国、そして日本へ渡ってどのような発展を遂げたのか、そして日本の文化に与えた影響などがよく理解できるようになっています。
特定の経典を持たない禅宗では、その教えは師の心から弟子の心へ以心伝心で受け継がれたそうです。
言葉や文字、経典からでなく、師と弟子との直接的な関わりのなかで自分自身の心を表して、悟りの境地へ至る。したがって、展示されているものは肖像画、仏像が非常に多かったのが印象的でした。
それぞれの肖像画が何かを語りかけてくるようで、つい立ち止まって長い時間見入ってしまいます。
▲音声ガイドもあり、520円以上の値打ちがありました。ぜひ借りることをオススメします!
国宝 慧可断臂図(えかだんぴず)に圧倒される
ラッキーだったのが、この日から展示が開始された「国宝 慧可断臂図(えかだんぴず)」を見ることができたことです。
▲実際の絵は、畳一畳ぶんほどの大きさで大迫力!
電車の中吊り広告で掲載されていた、この絵に惹かれて見に行くことを決めたので、感無量でした。
坐禅をする達磨に向かい、神光(のちの慧可)という僧が弟子となるべく己の左腕を切り落とす場面を描いたものです。画面全体を覆い尽くす重々しい岩壁と、そこに刻まれたレリーフのように微動だにしない両者の姿。異様なまでの静寂が息苦しいほどの緊張感を生み出しており、どこか近寄りがたい雰囲気すら覚えます。雪舟77歳の大作です。(公式ホームページより)
達磨の一点を見つめる眼差しに、吸い込まれるような感覚でした。
何も考えていないような、それでいて力強い意思に満ちた眼光。
知らず知らずのうちに、そこでじいっと佇んでしまいました。
ワークショップも楽しい
▲展示物を一通り見て回ったら、ワークショップが開催されていたので参加してみました。
いくつかの禅語(禅の言葉)の中から、くじを引いて選んだ禅語を半紙に筆ペンで書いていきます。
▲外国人の方が楽しそうに筆を動かしていました。こんなに時間かけて字を書いたの久しぶり。
▲ぼくが出逢ったのは、『柳緑花紅』でした。ありのままの自然が美しい、という意味。
まとめ – 心静かに楽しむことができました
博物館や美術館巡りはあんまりしないんですが、今回のは大当たりでした。
心から心へ教えを伝える禅宗。たくさんの展示物に思いを馳せているうちに、自分の心が静かになっていく。
素晴らしい展示会だったと思います。