2016年の最初に読んだ小説を紹介します!グルメと任侠が合わさった、ちょっと変わったテイストの小説でした。
パスタ作りにハマってるので、ぐいぐい引き込まれて1日で読了しちゃいました!
目次
侠飯(おとこめし) – グルメ×任侠! 料理を作りたくなってしまう小説だ!
この本との出会い
ランニング中に、FM放送を聴いていたら偶然紹介されていて、その場でkindle版をポチりました!
パーソナリティさんの紹介の仕方が上手かったなあ。
あらすじ
グルメ×任侠!!
就職活動中の大学生が暮らす6畳のワンルームに転がり込んできたヤクザは、妙に「食」にウルサイ男だった! (「BOOK」データベースより)
就職活動に悩む大学生が主人公です。ある日道を歩いていたら、突然ヤクザの銃撃戦に巻きこまれてしまいます。
このヤクザが一時身を隠すため、主人公の部屋に居座ってしまうんです。
そして、なぜか異常に料理にこだわりがあって、食材や調味料をガンガン取り寄せて、素人離れした料理を作りまくっていきます。
そして、物語は予想外の展開へ向かっていきます。
章立てが秀逸 – ストーリーよりも出てくる料理の紹介になっている
まず、章立てからして面白いんですよ。
- オイルサーディンとカマボコとリンゴとネギでなにを作るか
- チャーハンはパラパラじゃないほうが旨い
- ゴミ袋とレンジで作る刑務所の飯
- ステーキは A5ランクよりスーパーの特売品
- レトルトカレーがフライパンひとつで絶品になる
なんか、普通の料理本みたいですよね。ストーリーと全く関係ない章立てに戸惑いつつも、「どんな料理が出てくるの?」とワクワクしてきます。
薀蓄(ウンチク)がいちいち勉強になる
居候の組長が、毎日料理を作っては主人公に食べさせるんですが、彼への説明が素晴らしいウンチクになってるんですよ。料理作りたくなっちゃいます。
「缶ビールはグラスに注ぐのを前提に作られてるから 、そのまま呑むと炭酸がきつい 。グラスに注ぐことで 、泡も立って口あたりがよくなる 。缶は金属の匂いもするし呑み口がちいさいから 、ビールの旨さがじゅうぶんに味わえない 」
さっそくグラスを持ってきて呑みくらべてみると 、たしかに缶よりも旨い 。
「グラスに注ぐと 、泡が蓋になって酸化も防ぐんだ 」
これ以降、缶のままビール飲むの止めました(笑)。
「チャーハンって、なんべんか自分で作ってみたんですけど、べちゃべちゃになるんです。なにがいけないんでしょう」
「温かい飯を使えば、ほぐれやすい。冷やご飯ならレンジで温めればいい。あとは、いっぺんにたくさん作らないことだ。全体に火が通りにくいからな」
「それ以外にコツはありますか」
「チャーハンは火力とスピードだ。家庭用のガスコンロじゃ火力が足りないが、中華鍋やフライパンを煙がでるくらい熱したら、なんとかなる。最初から最後まで強火だ」
パスタの次はチャーハンに挑戦しようと思わせてくれます!
感想
ここまで、料理に関するくだりだけをピックアップしましたが、ストーリー自体も十分楽しめます。
ヤクザが主人公の部屋に居候する意味、就活に悩む若者へのアドバイス、そしてヤクザの正体…!
でも一番は、やっぱり料理を作ったり説明したりするくだりです。こんな料理が作れる、ダンディな男になりたいです!
会話文が多くて、テンポが速いので物語に引き込まれやすくて読みやすいです。オススメ!
ちなみに続編も出ていて、こちらもすぐ読んでしまいました。