【読書】しんがり – プライドを持って仕事をすることを伝えてくれるノンフィクション!

2016年は、読書ログを書いていきたいです。ビジネス書、小説ともにたくさん読んでいるので、ネタには困らないかと。

「書き残す」のにもメリットがあると思うんですよね。書評を書くことを前提に読むと、インプットの質も変わってくるはず。

今年最初の読書ログは、ビジネス・ノンフィクションです!

目次

【読書】しんがり – 使命感を持って仕事をすることを伝えてくれるノンフィクション!

内容の紹介

「俺たちで決着をつけよう」会社の消滅時に、最後まで意地を貫いた社員の物語。16年前、四大証券の一角を占める大手、山一證券が金融危機のさなかに破綻した。幹部たちまで我先にと沈没船から逃げ出すなか、最後まで会社に踏みとどまり、真相究明と顧客への清算業務を続けた社員たちがいた。彼らは社内から「場末」と呼ばれ、煙たがられた部署の連中だった―。 引用:「BOOK」データベースより

著者は清武英利さん。プロ野球、読売巨人軍の元代表だった方ですね。会社ともめて解任されたり、訴訟問題に発展したりされた方ですが、もともと新聞記者だったこともあり、取材力と文章構成力はさすがプロと感じます。

全編を通じて、ノンフィクションながらも物語としてどんどん引き込まれていきました。ちなみに、WOWOWで連続ドラマ化されていました。

物語は、破綻の少し前から始まり、会社の清算完了までを描いています。

破綻した原因は、約2,600億円もの債務隠しが明るみに出たこと。

破綻したとたん、我先に辞めていく社員があとを絶たない中、一部の社員だけが会社に留まり、「清算業務」と「債務隠しの真相究明」をやり続けます。その中には、3ヶ月無給の人もいたそうです。

「後軍(しんがり)」という言葉がある。戦に敗れて退くとき、軍列の最後尾に踏みとどまって戦う兵士たちのことだ。(中略)山一証券の場合、後軍に加わった社員たちは、会社中枢から離れたところで仕事をしてきた者ばかりである。 引用:本文より

給料ももらえず、やる仕事は後ろ向きなものばかり。そりゃあそうですよね。会社の不祥事を明るみに出すことに協力してくれる人もいません。

そんな悪条件のなか、なぜ彼らは会社に残って業務を続けたのか?ここにこの本の醍醐味が詰まっています。

感想

エピローグでは、破綻した15年後の同窓会が描かれていて、しんがりだったメンバーがこう言っています。

「自分はこの時のためにいたんだな、と思いました。これが自分の人生なんだと感じています」

会社への忠誠心だけでなく、サラリーマンとしての誇りだけでもない。

自分という存在の誇りをかけて、仕事に取り組む姿がありありと浮かんできました。

自分の仕事を振り返って、こんなカッコいいことが言えるだろうか。プライドを賭けられるくらいの仕事をしたい。そんなことを考えさせられた一冊でした。

オススメです!

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